桜ノ華
悲劇への道筋
時の流れは無常なもので、
テストも終わりもうすぐ生徒会を引退しなければならない。
颯介とは逢瀬を重ね続けている。
啓志とは変わらずの関係だが、あの話題に触れることはなかった。
「桜、行くぞ」
「はい」
夏休みが明けた頃から啓志は、校内でも桜を連れて歩くようになった。
まるで、見せつけるかのように。
女生徒からの僻み妬み、いじめも覚悟した桜だが、
何かをされることはなくて。
「あっ、南十字さまと三条さんよ!」
「お似合い…目の保養だわ…」
むしろ、ふたりで校内を歩くとこんな声ばかりが聞こえる。