***


「お前パスタ好きだよな?」
「はい!大好きです!」

会社を出て大通りを歩く瀬川さんに着いて歩く。


振り返りざまの問いに満面の笑み。
好きな物をご馳走してもらえる事も、ちゃんと私の好きな物を覚えていてくれる事も嬉しかったから。



「なんですか?」

びっくりしたみたいにジッと見つめられて、喧嘩腰で問い掛けた。



「お前、やっぱり可愛いな」
「や、ちょっと何するんですかー」

ニィ、っと笑った瀬川さんが、私の頭をクシャ、と撫でる。
完全に子供扱い。面白くない。



「この間いい店見つけたんだ。七海好きそうだな、って思ったからさ。そこ連れてってやるよ」
「うわ、ほんとですか?超嬉しい」
「超、とか言うなよ」
「だって超、ですもん。凄いのがよく分かるでしょ?」
「いや分からないね。俺、超って嫌い」

そんな会話をしながら瀬川さんはタクシーを止めて、私の背中を押して先に乗せてくれる。
行き先を聞けば少し遠くて、近場で済ませようとしない辺りが瀬川さんだなぁ、とか感心してた。


この作品のキーワード
すれ違い  不安  恋人  浮気  疑惑  嫉妬  イチャイチャ  激甘  大人の恋