I'm crazy about you.


「ん?」
「モテるのが分かります」
「なんだ突然」
「え、だってなんか悔しいし」
「おいおい。話に脈略がなさすぎだぞ」
「大丈夫。私の中では成立してますから」
「それ益々ダメだろ。ちゃんと俺も混ぜろよ」
「どうですかねぇ?考えておきます」
「…七海ってさぁ、ちょっと変だよな」

真顔な瀬川さんからの言葉に面食らって、次の瞬間には腹が立った。



「私は瀬川さんにモテるのが分かる、って言ったのに、なんで私は変とか言われてるんでしょうか?」
「いやいや俺は褒めてんだぞ?」
「有り得ないし…」

瀬川さんが声を上げて笑うから、思わず私もつられて笑った。




瀬川さんが頼んでくれたワインも前菜もサラダもパスタもドルチェも、みんなみんな美味しくて。




恋人とも、ただの職場の同僚とも違う不思議な関係。
瀬川さんの隣は心地よくて、私は久しぶりに京輔の事を考えずにいられた。


今はそれが本当にありがたくて、今更だけど、私の中の瀬川さん株がグンと上がった。



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