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『京輔は…私に……会いたいって…思ってくれるの?』

電話越しの七海の声が震えているのに気づいた。
それだけで、自分がどれほど彼女に甘えて、ないがしろにしていたかを思わせる。




『あ、あのね…私も京輔に会いたい』

会いたいと思っていると伝えれば、すぐに返ってくる想い。


それを嬉しいと思う気持ちが俺にはまだ存在していて。
気付いてよかった、とマジで思った。





それから三十分。
待ち遠しくて車の外に出る。



あまり人目につかないこの場所は、木陰にあるので日が射さない。
それ故に、長年自分達の短い…別れ際の貴重な逢瀬の場所だったのだが。
そんなありがたい場所も、この時期人を待つには優しくない場所で。




「うー、寒ぃ」

車だから、と薄着の自分。
だけど今は。



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