溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
五、四日目。その腕に捕われていたい。






朝起きると、頭痛なんて何処へやら。
スッキリした頭で、昨日ぐちゃぐちゃ考えて、ジェイドさんに色々文句を言ったのが恥ずかしくなってしまった。
ポロポロと、心の嫌な部分が剥がれ落ちて、軽くなっていた。
何を一人でぐちゃぐちゃ考えて空回っていたんだろう。
不思議だ。
そう思えるのは、ジェイドさんと契約抜きで色んな話をしたからかな。

背伸びをして、まだ少し紫に近い朝日を眺めながら大きく息を吸い込んだ。

……ジェイドさんは何処だろう?
昨日、漬けてくれた大根のハチミツ漬け、飲んで良いのかな?

スイートルームの何処を探しても、彼の姿を見つけられなかった。
昨日、あんなに喋ったのに、こんな朝早く起きて出かけるなんて眠くないのかな。
部屋に戻ると、サイドテーブルに置かれた大根の蜂蜜漬けの瓶の下にメモが挟まっていた。

『3階のボルダリングルームに居ます。ハチミツ漬けを飲んで安静にしておくように』
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