純情喫茶―恋する喫茶店―

おつきあい―玲奈―

その頃、玲奈は谷木と一緒に居酒屋にきていた。

居酒屋にきたは短大生時代の1度だけなので、くるのは久しぶりだった。

「玉露割り、もう1杯!」

「どれだけ飲むつもりなんですか!?」

玲奈はすっかり酔っぱらっている谷木を見つめた。

威勢のいい店員の声と焼き鳥の匂いが、喫茶店を経営している自分に似合わないような気がした。

(何で私みたいな女をここに連れてきたんだか)

心の中で皮肉を言いながら、玲奈は息を吐いた。

「あんたも飲めよ」

谷木が焼酎の入ったグラスを差し出してきた。
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