次の日の朝、悠史はごはんを食べて実家に帰って行った。

とんでもないことの連続で疲れていた私はまた布団にもぐりこみ、次に目が覚めたのは昼過ぎ頃。

ぼんやりした頭で考えるのはやはり昨日までのことで。


――夢じゃないよね、全部。

部屋にいると今までとは何も変わらない気がするのに、この二日間で私自身が驚くほど変わってしまったように思える。

たった二日なのに、私の中でどんどんその存在が大きくなる藤堂さん。


………恋人、って言ってた。
あの人が私の恋人………?

というか、その前に私ホントに藤堂さんのこと好きなんだろうか?
悠史に訊かれても答えられなかったし。


……誰かを好きになる、ってどういうことなのかな……

今までも中学や高校の先輩をいいなと思ったことはあるけれど。
つきあってみたいとか一緒にいたいと思ったことはなくて。
同級生の男のコから優しくされても、優しいなと感じるだけでそれ以上の感情は湧かなかった。
そんな私を理沙は「恋愛に興味なさすぎ」とか「いろいろ考えずにまずはつきあってみたら」とか言う。


……藤堂さんと一緒にいるとドキドキするし離れたくないとも思うけど。

それが好きってことなのかな?
でも、藤堂さんみたいな近寄り難いほどカッコいい人に抱き締められたりしたら、女のコなら誰でもドキドキして離れたくないと思うんじゃないだろうか?

博人さんと一緒にいてもドキドキするし、あの綺麗な容姿に見惚れてしまう。
ただ、なんとなくだけど藤堂さんのそれとは違う気がする。


「……わかんない」

恋愛初心者にもなってない感じの私には全然わからない。


「でも、こんなことばっか考えてる場合じゃないんだよね、私」

藤堂さんは気になってしょうがないけど、やらなきゃいけないこともたくさんある。


「レポート、レポート」

わからないことを頭の中から振り払うようにひとり言をつぶやき。
やりかけのレポートをテーブルに広げる。


「あれ?資料が足りない?」

けれど、やり始めてすぐに仕上げに必要な資料がないことに気が付いた。


……ホントは昨日探しに行こうかと思ってたんだっけ。


頭の中を、昨日のランチから深夜までの出来事が流れて行く。

「あ~っ、もうっ!」

――資料探しに行こ。


このまま部屋にいても集中出来なさそうで。
テーブルに広げたレポートはそのままに出掛ける支度を始めた。



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