俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


仕事のためを思って言ったのに、呆れの言葉が返ってきた。



「お前は、送ってもらって申し訳ないという、謙虚な気持ちがないのか」



申し訳ないとは、確かに思わなかった。


だって私が頼んだわけじゃなく、半ば強制的な送迎だし。



でも、コンビニに着いて下りようとしたら、毛布から出るなと言われて、

風原さんが私の為に、おにぎりとお茶を買いに行ってくれたことについては、申し訳なく思った。



女子アナの底辺にいる私が、人気No.1男性アナをパシリに使ってしまった……そう思って。




桜テレビに入ると、すぐに着替え。


衣装さんが用意してくれたのは、

淡いピンクのカットソーと、七分丈カーディガンのアンサンブルに、ベージュのスカート。



色合いが少し子供っぽい気もしたけれど、衣装さんに、

「日野さんは可愛い系の顔立ちだから、ピンクが似合いますよ」

そう言われて、

デヘッと照れて、お世辞を真に受けてしまった。



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