噂の壁ドン
私、働きます!
夫。松本拓美38歳
サラリーマン
一人娘の父親。
妻、私、松本貴美30歳

「おかえり!お風呂どうぞ!」
「あー。」
「パパ!真矢も入る!!」

「ま〜ちゃん。入ろうか!」


娘を溺愛する主人。

バスルームから賑やかな声。

「ま〜ちゃん。上がるぞ!」
「は〜い!」

「一人でお着替えできたら、お子様コーヒー牛乳よ!」

「できるよ!」
ボタンの掛け違いはあっても
ちゃんと出来た。
「はい!ご褒美よ!髪乾かすね。」
ドライヤーでさっと乾かし。

「お前も入ってこいよ!」
「うん…。夕食…。」
「待ってるよ。ビール飲みたいし。
つまみだけ出して!」

イカの刺身と小松菜の煮浸しを出し。
私は、お風呂へ。


「あ〜。気持ちよかった。さあ、ご飯にしましょ。」

献立。
真矢には、
湯で野菜のヨーグルトソースサラダ。
ビーフシチュー
野菜スープ。
私は、ダイエット中、サラダとスープ
少しの塩むすび。

「お前、それだけ?何か俺が食わせてないみたいで、感じ悪いわ!」

「最近、体重がきになるの、だから
気にしないで。
あのね。後で、聞いて欲しい事があるの」
「あ〜?なんだよ?」不機嫌そうな
態度の拓美。
真矢は、お腹いっぱいになり
ソファーでゴロゴロしながらだんだん
眠くなってきた様子。
「歯磨きしておやすみしましょ。」
ぐずる真矢を洗面所に連れて行き
歯磨きを済ませ、寝かせた。
そっとドアを閉め

リビングでお酒を飲んでる
拓美の向かいに座った。
「拓美。あのね…。真矢も年長組になったし、私、仕事したいの。家計の役にも立つだろうし。」

「俺の給料で足りないのか?」
「子供の成長と共に、やっぱり貯蓄したいし。友達の紹介で近くのケーキ屋さんで、お迎えの時間までって事で
もう、決めたの。」

「はぁ〜。事後報告じゃん!」
「ごめんなさい。でも…。」
「勝手にしろ!」

結婚した頃が懐かしいよ。
取り引き先への贈答品を買いに来て
毎年のお品物を変えていたため去年、何を贈ったのかが分からないと困る。
しかし担当者が交代して拓美に。
引き続きが上手くいかず彼は、困っていた。そこに
私が独自で作っていた
名簿と贈答品リストを見せて
贈り物がわかりうまくいった。
後日、お礼だと何度も会いに来てくれて
少しずつ意識するように。
2人でいると
優しくて、男らしいって思ってた。

今は、すぐ、不機嫌になるし、
大きな声で怒鳴る。

あなたは、私をどう思ってるの?
時々、わからなくなる。

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