転落事件から二週間後、林間学校が実施されたキャンプ場からそう遠くない山中の滝で、行方不明になっていた翠川孝之の死体が浮かんでいるのを、現地の捜査員によって発見された。

 そしてほどなく、滝壺に沈んでいた相川幸乃の死体も、発見されたのだった。


「なんて綺麗な死体なんだ」


 余りにも白く透き通った幸乃の死体を見て、富岡は思わず息を飲んだ。


 落下する水流に押さえ付けられた死体は、おそらく冷たい滝の底で、浮き上がることもなく、大切に保存されていたのだ。


「富岡さん、不謹慎ですよ」


「ああ、分かってるよ。しかし、だな……」


 岡部に耳打ちされても、直ぐには納得がいかない。


「翠川孝之は、相川幸乃の死体を隠そうとしたんですかね?」


 おびただしい水量が激しく落ちている。傍にいる人間が話しても、所々、掻き消されてしまう。

 富岡はきちんと聞き取れず、もう一度岡部に聞き返した。

 岡部も察知していたのか、大声で繰り返す。


「さあな。これが意図的なものなのかどうか、まだ、わからん」


「でも、翠川は結果的に死体の発見を遅らせることに成功していますよね」


 岡部の言う通りなのだ。


 しかし、いったい?

 何の為だというのだ?


 何を、意味している?


「ワカランね。肝心なところが、ワカランよ」


 ぶよぶよに膨らみ、腐り果てた翠川の死体。

 そして、保存された幸乃の死体を、富岡は丹念に眺める。


「答えはある。きっと、コイツが切り開いてくれる……」


 富岡は現場到着と同時に捜査員から預かった封筒を懐から取り出すと、岡部の肩を、ひとつ、ポンと叩いた。


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