センチメンタル・スウィングス
「おせーぞ桃。チーから“下で桃に会った”って電話あったから、俺、ずっとここで待ってたんだぞ。あんまりおせーから、電話かけよーと・・・」
「和泉さんにとって、私は何ですか」
「あ?」
「私はチーさんって人の代わりなんでしょう?さっきは、あなたに来てほしいと言われたから行こうと思った。だけど、私が行けないって言えば、あなたはアッサリ“あ、そう”って言って、他の女友だちを呼ぶんでしょう?」
「勝手に決めんな」
「私があなたのことを愛してるって思ってる以上に、私のことを愛してほしいなんて言わないし、女友だち全員と縁切れとも言わない。それは無理だから。だけど、私に見せる笑顔とか、私にかける優しい言葉とか、態度とか・・・同じように他の女友だちにもしてるのを見たり、電話の会話聞いたり・・そういうの、もう嫌なの!」

・・・こんなこと、私が言える立場じゃないって分かってる。
私たちの間に、最初から「恋愛」なんてなかったんだし。

でも、モヤモヤしている胸の内を、今全てこの人にぶちまけたい!

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