センチメンタル・スウィングス
言ったとおり、和泉所長は私の後ろについて、マンションまでついてきてくれた。
それだけじゃなくて、私の部屋の前まで一緒に来てくれた。

「いいです」って言ったのに・・・。
でも・・・正直に言えば、和泉さんがついて来てくれて、すごく心強かった。

だけど和泉さんは、上司として、所長として、エクストラサポートをしてくれただけ。
山下さんや須賀さんや田中さんが同じ状況になっても、和泉さんは、私にしたことと同じことを、彼女たちにもするだろう。

それが和泉さんの優しさと・・・ノリだから。


「所長。ホントにありがとうございました・・・」

あれ?なんか、和泉さんが・・・近い。

私は咄嗟に一歩後ずさって・・・ドアに背中をぶつけた。

「じゃ!あのっ、おやすみ・・・」
「桃子」

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