喫茶の謎解き意地悪紳士2
「刑事って哀しい職業よね」
その瞳はどこを見つめているのか分からない。
闇を映しているような哀しい瞳。
「疑うことが仕事だもの。人を疑って見つける正義って、本当の正義じゃないわよね。きっと……」
「ごめんね。こんな話して」と綾華は自嘲気味に笑って、詩音の横を通りすぎていった。
もしかしたら、綾華にも悲しい過去があるのかもしれない。
その後ろ姿を見つめながら、詩音はふとそう思った――。