「ちょっと、京香ちゃん。すごくいい人がいるのよ。会ってみない?」

 土曜日の昼下がり。ここは、私が棲むアパートから車で十五分ほどの距離にある料理教室、“美馬クッキングスクール”。
 この辺りでは一番古い料理教室で有名だ。

 私、須藤京香(すどうきょうか)27歳。料理スキルを上げるため、数ヶ月前から“美馬クッキングスクール”に通い出した。
 なんて言えば聞こえはいいが、正直なところ料理は昔からからきしダメ。
 特に食べさせたい相手がいないことも寂しいが、なにより自分で食べるご飯がまずくて我慢ならず、渋々”美馬クッキングスクール”の門戸を叩いた次第であります。

「あはは。何ですか、突然。私にお見合いの話ですか?」

 皿洗いの手を休めることなく、私は苦笑する。そんな私の態度を見て、同じ班のおば様は身を乗り出してきた。



この作品のキーワード
アラサー  イケメン  料理家  OL  らぶあま  強引  策士  甘ロマ  独占欲 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。