「ねぇねぇ、京香ちゃん。どうしたのかしらね?」

「どうしたとは?」


 ニヤニヤと笑いながら、おば様たちが私を取り囲んだ。その威圧的な雰囲気に、私は固唾を呑む。

 今日は土曜日。
いつものように“美馬クッキングスクール”で家庭料理を勉強中だ。

 今日のレッスンは、ひな祭りメニューということで、海鮮ちらし寿司や潮汁などに挑戦している。
 と、言っても。私が手を出すのはほんの少しではあるのだけど。
 メモを取りまくり、あとでおうちで復習しなくては。

 ベテラン主婦の皆様の中にいては、なかなかひよっこはお呼びではないという感じ。だが、世話好きのおば様たちが集まっているので、あれこれと教えてもらえて助かっている。

 私には順平先生と、その他大勢のおば様たちが料理の先生だ。
 これは早くに成果を見せておきたいところだが、筋金入りの料理下手の私は、なかなか先生方に成果を見せることができないのが歯がゆいところだ。

 それにしても、なんだろう。おば様たちの目が好奇心に満ちている。

 キラキラしたその瞳を見るたびに、何か嫌な予感がするのは……私の気のせいじゃないはずだ。
 首を傾げてその輪の中心にいると、小さく耳打ちされた。


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