「よし、登録完了。あとで連絡するから」

 私の携帯番号をスマホに登録すると、合田くんはそれをジャケットのポケットに押し込んだ。
 相変わらず強引というか、なんというか。昔も今も変わらない態度の彼に、私は苦笑した。

「久しぶりに会ったんだ。メシぐらいは付き合えよ」
「ん……」
「なんだよ、その煮え切らない態度は」
「だって……」

 高校の同級生ではある。しかし、合田くんは私の元彼氏だった人だ。
 あのときは話し合いの結果、蟠りもなく別れることができたとはいえ、また再び個人的に会うとなると及び腰になってしまう。
 私の様子を見て、合田くんも何かを感じたのだろう。クスッと楽しげに笑った。

「今はこうして高校の同級生として出会ったんだ。なにを躊躇することがあるんだ?」

 そのとおりである。私が異様に反応しすぎなんだろうか。
 すっきりさっぱり別れたのだから、合田くんの言うとおり躊躇する必要はどこにもないのだろう。
 今さらこの関係がどうなることもない。私が自意識過剰なだけだろう。
 少し苦笑したあと、「わかった」と返事をすると、合田くんはあの頃と同じように屈託なく笑った。
 そのとき、私の背後から声がした。


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