3日限りのルームシェア

梓の作戦

「えええ!あ・・兄貴・・それマジ?え?いつ・・・いつから知香のこと好きだったの?」
披露宴が終わると樹は、梓に相談があるから時間を作ってほしいと頼んだ。
梓は二次会まで少し時間があるからというと
樹は披露宴会場であったホテルのラウンジで梓を待った。
そして樹は梓に知香への思いを話した。

「・・・・たぶん・・お前が初めて知香を家に呼んだ時・・・」
その言葉に梓はびっくりと同時にお腹を抱えて笑いだした。
梓はきっと笑うだろうと思っていたが、ここまで笑われると
何だかムカつく。
知香を好きだった事がそんなにおかしいことなのか?!
それでも樹は梓に頼みたい事があったから
ムカつく思いをぐっとこらえ、笑い終わるのを待った。

どのくらい経っただろう。梓はひとしきり笑うと深呼吸して水を飲んだ。
「・・・で?今でも忘れられないと・・・」
梓の言葉に樹は照れを隠すように口を尖らせ黙って頷いた。
「それで?・・・私に何をお願いしたいの?」
「本当は今日、久しぶりに会った知香をみて本気で付き合ってほしいって言おうと
思ったんだけど・・・考えてみれば1週間後に俺アメリカ行くだろ?」
「だから・・・声もかけられなかったってわけね。」
樹はアイスコーヒーを一口飲むと姿勢を正した。
「どうしても諦めきれないんだ。だから・・・知香の事をメールでいいから
近況とかを教えてほしいんだ。」
樹は頭を下げた。
「は?何か兄貴ちょっとストーカーチックじゃない?そんなことより
メルアド交換してマメにメールのやり取りでもー」
「それができるならもうやってる!できないからお前に頼んでるだろう?」
我が兄ながら恋愛スキルのなさに呆れてしまう
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