3日限りのルームシェア

だからイケメンの笑顔は反則なんだ

荷物をソファーの横に置き、樹はソファーに腰を落ろした。
長旅のせいか少し疲れている様で目を閉じながら首を左右に曲げ、最後に
両腕を上げ伸びをした。

「本格的ではないですが・・・・どうぞ」
知香は樹の前にアイスコーヒーを差し出した。
梓の話では今まで樹はニューヨークにいたらしい。
アメリカの有名なショップのコーヒーを堪能していただろうに
日本に戻って最初に飲んだコーヒーが1Lボトルの
無糖アイスコーヒーだから何だか申し訳ない気持ち
があったのだ。
だが、樹はにっこり笑うといただきますと言ってグラスに口をつけた。
「おいしい・・・」
目を大きく開けて頷いた。
リアクションが大きいのはニューヨークにいたせいか?それとも
単にわざとらしいのか・・・
突っ込みたくなるのをぐっと抑えた。
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