あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
第四章

12 オスガリアの姫




***


戦争が起こったから十日。


 今回のオスガリアとの戦争で、いままでとは比べものにならないくらいの負傷者が両国に出た。


 ウェズリアは傷は治癒魔法でなんとかなるが、治癒を繰り返す〈翡翠〉メンバーたちにも、疲労は見えてきていた。


 魔法は、傷は治すことができても、魔力を回復することはできないんだから。


 そして、今回のことで変わったことがあるかといえば、オスガリアはとてつもない大打撃を受け、あれからはぱったりと攻撃をしかけなくなっていた。


 こっちとしては、正直嬉しい。


 軍隊所属の魔術師たちも、今は療養中だ。


 しっかり、身体を休めてほしい。


 あたしも、あれからはすっかり元気。


 なぜか、首筋の傷が消えてたから……。


それに、なんだか不思議な夢を見た気がした。


カカオがあたしの傷跡をキスで治してくれるっていう夢。


そんなこと、ないだろうけどって思うけど、実際傷跡は治ってたんだし、夢なら信じようが信じまいが本人の自由だし、カカオが治してくれたんだってことにしてる。


あんな甘い雰囲気のカカオ、初めてだったんだもん。


忘れたくったって忘れられないよ……。


それに、あたしはカカオに叱られちゃった。


 ひとりで無茶して結界張ったのが、バレちゃったみたい。


 『また張るなら、必ず俺に言ってからにしろ』


 とか、言われちゃったし。


しかも、



『アルバートには気を許すな。 血をあげるなんてもってのほかだ』



とも言われてしまった。


確かに今思えば、あたしはなんてことしちゃったんだろうって思う。


カカオを助けるためとはいえ、血を吸わせたんだから。


我ながら大胆だった……。


あと、倒れちゃってから目が覚めた時、クコがしばらく身の回りのことやってくれてたんだけど、身体を拭いてもらった時、何故かあたしの首もとを見て、顔を赤くして叫んでたんだよね……。


理由を聞いたんだけど、何故かニヤニヤするだけで教えてくれなかったし、首もとだから自分で見ることができなかった。


でも、触った感じじゃ傷跡は治ってたから、なんだったんだろう。


 けれど、そんな疑問もすぐに忘れていた。


魔力も充分戻って、今日も特訓に励んでいた。




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