あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。

14 決断



***




 訓練を終え、お風呂に入り髪を乾かし終わったときだった。


 
「あれ?」



 なにか違和感を感じる。



「シュガー?」



 シュガーといつも繋がっている、魔力の幾つもの糸のような絆が、感じ取れないのだ。


 とたんに不安が胸を過ぎる。


 なにか、ある。


 そして、誰かがいる。


 突然焦りが込み上げてきて、お風呂でさっぱりしたばかりの背に汗がジワリと滲む。


 シュガーを、探そう。


 イヤな予感がする。


 あたしは、髪を拭いていたタオルをベッドに投げ、部屋を後にする。



廊下を歩きながら、小さな魔法陣を呼び寄せ、熱風を起こして髪を一瞬で乾かした。



 最近、カカオと会えていない。


 オスガリアの姫の相手をしているらしい。


 醜い嫉妬が胸を渦巻く。



痛む胸を押さえるように、胸元の服を握りしめた。

 
 なにいっちょ前にヤキモチなんか、妬いているんだろう。


 あたしは単なる魔女。

 
 相手は、帝国のお姫さま。


 身分が違いすぎる。


 
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