清掃員と経営者
「村上さんのプチ歓迎って事で、今日のランチは外に食べ行く？」


相田が瑠美と三田に声を掛ける。


「いいですね〜！賛成ですっ。あ、でも村上さんは大丈夫？」

「はい。どんな仕事をするか判らなかったのでコンビニ弁当かなって考えてました。」


三田が嬉しそうに返事をした後に瑠美も返事をする。
どんな場所でどんな職場なのか全く不明だったので、今日は色々様子を見たかったのが本音だ。


「じゃあ、近くのイタリアンにしましょうか？」

「賛成〜！焼きたてパンが食べ放題の所ですよね！」

会社の近所に少し割高だが美味しいと評判のレストランがある。

普段は夜に開催する歓送迎会に、なかなか参加出来ない子供を持つ女性の社員達がランチ歓送迎会をする時に人気のイタリアンに行こうと提案され、瑠美は期待とお財布の中身を気にしつつ皆で少し早めのランチに向かった。

昼には少し早い時間にレストランに到着した為、待たされずに席に着けた。

メニューを見ながらたわいもない話をする。


「ねぇ、同じ清掃員でお近づきになった事だし、瑠美ちゃんって呼んでも良いかしら？」


相田の問いに三田もウンウンと頷いて瑠美を覗き見る。


「良いですよ、嬉しいです。私もかなえさんと茜ちゃんって呼ばせて下さい。」


3人で「うふふ」と笑いながら、再びランチを選び始めた。
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