6時限目が終わったのは、夜の7時を過ぎていて。

さすがに試験ばかりの一日は疲れることこの上なく。

また帰ってから勉強かと考えただけで溜め息が出てくる。


――…まだ1日目なのになあ。


明日の予定を確認しようとスマホを取り出せば、画面は真っ暗。


――そういえば、試験中だから電源を切ったままだったけ。


電源を入れ、画面を眺めていると。


「えっ?!」


1分もしないうちに着信音が響き始めた。


「も、もしもし?」

「美智子ちゃん?今どこ?」

「え?…博人さん?」


電話の向こうの焦る声は、いつもならおっとりと優雅に話す王子様の博人さん。


「まだ大学?」

「は、はい」

「正門の前にいて、今行くから」

「は?え…?」

そこで切れてしまった電話に、


――正門!

スマホを握りしめたまま、構内を走り出した。


――藤堂さんと一緒にドバイへ発つはずの博人さんがこんな時間になぜ大学に?


疑問に思いながらも、昼間よりもだいぶ少なくなった学生の間をすり抜けて正門に辿り着けば、そこにはすでに見覚えのあるシルバーのBMWが停まっていた。


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社長  王様  溺愛  激甘 

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