「――遅い」

「…え…?!」


今日は午後からだった試験3日目。

7時限目が終わり、コンビニでお弁当を買ってマンションに辿り着いた頃にはもう9時を過ぎていた。


「な、何で…?」

今、リビングで、私の目の前のソファに座るのは紛れもない藤堂さんその人。


「帰って来たに決まってるだろう」

「……お、お仕事は?」


とっくに着替えてスーツじゃなくなってる藤堂さんへ尋ねると。


「半日で片づけた」

「……半日」

「それから一番早く成田に着くフライトで帰って来た」

「………」


ドバイまでは直行便でも片道10時間。


――…それを、一昨日行って今日帰ってくるって。



「――おいで」

あっけにとられて立ち尽くしたままの私に、藤堂さんがソファに座ったまま両手を広げた。


「あ…」

見えない力に引かれるように、その腕の中に飛び込んだ。




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社長  王様  溺愛  激甘 

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