「………貴之さん…?離して…もらえますか?」

時間は既に10時を過ぎ、急いで支度をしないと遅刻しそうなのに私の身体には力強い腕が巻き付いていて。


「――だめだ」

後ろから私の首筋に顔を埋めたまま、強引な王様が甘さを含んだ低い声を出す。


「っ…だって遅刻しちゃいます」

かかる息がくすぐったくて身体をよじってみるけれど、腕の力が緩む気配は全くない。


「まだ大丈夫だ」

「もうっ…ホントに間に合わな…」

「――…なら俺の言うことを聞くか?」

「え…?」


片腕で私を抱き締めたまま、もう一方の手でベッドの脇にあるテーブルの引き出しから1枚の紙を取り出す藤堂さん。




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社長  王様  溺愛  激甘 

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