「深澤先生、さようなら」

「さようなら、また来週ね」

玄関先まで送り届け手を振れば、小学四年生の生徒は可愛く手を振り返しては元気に帰っていった。

その間にも「さようなら」「こんばんわ」と次々と声を掛けられていく。
時刻は午後二十時前。
三コマ目の授業が終わり、あと十分後には最後の四コマ目の授業が始まる。
ちょうど入れ替わり時期で、帰宅する生徒と来たばかりの生徒で玄関先は賑やかだ。

未来教室で働き始めて約三ヵ月が過ぎた。
生徒の大半を占めていた中学三年生達の受験も無事に終わり、教室内も心なしか和やかな雰囲気だ。
そう感じるのは、つい最近まで教室内が、ピリピリと張り詰めていたのを感じていたからかもしれない。


「どう?先生やるのには慣れた?」

「荒木さん!」

事務室に戻り荷物の整理をしていると、急に声を掛けてきたのは荒木さんだった。

「早いものだね。深澤先生がきてもう三カ月も経つなんて。……いよいよ来月から本格デビューだ」

「はい」

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