季節は十月――。

夏が過ぎ、秋が深まるこの季節。
ちょうど季節の移り変わり時期で、昔から十月が一番好きだった。
紅葉の季節だし、食欲の秋だし。

でもそれも去年までの話だ。
今年を……いや、今日を境に、私は十月が嫌いになってしまった。



「嘘……でしょ?」

たった一枚の紙を持つ手が、プルプルと震えてしまう。

だけどそこには、しっかりと【不合格】の文字が書かれている。

夏に行われた教員採用試験。
一次試験を突破し、二次試験へと進んだ。
私が住む県は、一次試験を突破すれば、二次試験ではほとんどの人が受かると聞いていたし、試験内容にも自分なりに満足していたから、憧れの教師になれると期待してしまっていた。

だけど本当、今となってはそんな浅はかな考えをしていた自分を恨むばかりだ。

「どうするの?……これ」

幸いなことに両親は仕事で家にいない。
散々心配していた両親に、すっかりと合格していたつもりでいた私は、呑気に笑って「心配しすぎ!」なんて言っていたけれど、これはもう……帰宅した両親になにをどう伝えたらいいのか、分からない状態だ。

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