「ねぇねぇ、今度の中間テストでさ、成績アップしたら俺と付き合ってよ」

「はい?」

GW明けの火曜日。
三コマ目に担当する今年受験生の水島巧君は、あどけない笑顔でサラリととんでもないことを言い出した。
当然私の目は点状態になるものの、白い歯を覗かせて私を見上げる。

「深澤先生って俺のタイプなんだよね。それに年上にも興味あるし」

とんだプレイボーイ発言に、開いた口が塞がらないとは、まさにこのこと。

「俺、学校ではけっこう人気あるし、よく大人っぽいって言われるし。深澤先生って童顔だから似合うと思うんだけど」

可愛く首を傾げるその姿に、ハッと我に返る。
そして慌てて大きく咳払いをし、冷静に伝えた。

「水島君、冗談はそれくらいにして早く次の問題解いてくれる?」

すると私の反応が予想外だったのか、面食らったように凝視してくる。

「……マジか。俺の口説き文句に動揺しないとか驚きなんですけど」

驚いたのはこっちの方だ。
まさか中学三年生に本気で口説かれていたとは。

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