僕と8人の王子



「えっと、君は....永井蓮君ですね」


驚いた。

先生は初めて会う生徒のはずなのに名前が分かるなんて。


「そうだけど、つか俺の席どこ?」


初めて会うはずの先生にタメ口とは、第一印象は最悪である。


「窓際の1番後ろです」

「ラッキー‼︎授業中寝放題じゃん」


正直すぎて不安になるほど喜んでいる。常軌を逸した態度に呆れを超えて貫禄すら感じ始めた。

ただ、不覚にも永井蓮が喜んだ時の顔は可愛いかった。


休み時間になり、泉先生が教室からいなくなった途端、何故か僕の周りに人だかりができた。


「お前すげぇ可愛い顔してるな!」

「入試ぶっちぎりで1位だったんだろ。ヤベェな」

「噂じゃ、スポーツ推薦でも入れたらしいじゃん!」


皆んな口々に話題を出すため対応が追いつかない。

まさか聖徳太子を心の底から尊敬する日が来ようとは。


「ちょっと皆ストップ。それじゃ困っちゃうよ」

「今井青...。そ、そうだな、ごめん倉瀬」


間に入ってくれた好青年は今井青と言うらしい。

この学園は顔立ちの良い人を優先的に入学させているのかという程キラキラしている人が多い印象を受ける。


「今井君…だったっけ?さっきはありがとう」

「あれ?ひなちゃん、僕らのこと知らないの?」


“ひなちゃん”とは…僕のことだろうか。
初対面で馴れ馴れし過ぎやしないか。


それに、“知らないの?”とはどういう意味なのだろう。



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