「森下さん。私の方は終わりました。」
私は自分が任された場所の品出しとディスプレイを終わらせると、
空になった段ボールを潰して車に積み込んだ。
森下さんもほぼ終わっており
後は他に必要な商品がないかをチェックしていた。
宮田さんはというと、いつの間か何処にもいなかった。
「里奈ちゃん。お待たせ。後はサインをもらって
帰るだけなんだけど・・・あれ?宮田さんは?」
森下さんも宮田さんがいない事に気付き店内をきょろきょろしていた。
「ですよね・・・いませんね。時間押してるし・・・帰りたい」
私は思わず本音がぽろっと出てしまった。
森下さんも同じようで苦笑いしながら伝票をぴらぴらさせていた。
すると
「お待たせしました。」
「いえいえ・・一応これで終わったのでサインお願いします。」
森下さんが伝票を差し出すと、
ありがとうございます。といって伝票にサインをした。
サインを書く字もかわいらしい。
そして控えを渡して帰ろうとすると
「あの!待ってください。実は・・・友君・・じゃなくて・・彼が
 近くの美味しいカフェのアップルパイを買ってきてくれたんで
 よかったらいかがですか?」
かわいい婚約者のためにアップルパイを買っちゃう彼氏ってどんな人だろうと
興味はあったが、正直時間が押していた。
森下さんもこの後もう1件納品があるので
ゆっくりアップルパイを食べる余裕などなかった。
森下さんは失礼のないようにお断りした。
すると、宮田さんはアップルパイをお土産に持ってって欲しいというもんだから
これを断るのはさすがに失礼と
受け取ることにした。
その時だった。

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