身長差43センチのふたり。



『でも、今日は遅いから、会えないなー…。』

「うん…。」


分かってる。

これはただのワガママだって。

まだまだ子供の私達にはどうにもできないことが沢山あることくらい、分かってる。


『…その代わり、明日一番に雛乃に会いに行くから。』

「えっ…?」

『朝8時、北口の改札前で待ち合わせな。一緒に学校行こう。』


っ――!

でも、高遠くんは私のワガママに違う形で応えてくれる。

少しでも私の心を軽くしようとしてくれる。

こんなこと言われたら、ますます好きになっちゃう。

どうしたらいいの?彼の一言で一喜一憂しちゃう私の心。


「うん…っ!」


じゃぁ、約束な。と言う高遠くんの声を目を閉じて聞きながら、早く明日が来ないかな、なんて思っちゃっている私がいた。



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