身長差43センチのふたり。

『…そんな可愛くしてから…もしかして、彼氏とデートとか？』

『あら、そうなの？』

「………っ、」


いつもはボーっとしていて周りから鈍感と言われているくせに、こんな時だけ勘が鋭いお兄ちゃんにムッとする。

お兄ちゃんの言葉に、お母さんは驚きの色で私を見ている。

隠したかったわけじゃないけど…、なんていうか言いにくいよね・・・。


『青春っていいわねぇ～！』

「なっ、」

『相手の名前は？…もしかして、この前連れてきた男子のどっちかやないと？』


――っ！

なんでこんな時だけ勘が鋭いん、この人！

ここまで言い当てられてしまうと、もしかするとお兄ちゃんは私を監視しているのでは、というよからぬ不信感も持ってしまう。


『え？そうなん、雛乃？たしか――久松くんと高遠くん、やったよね？』

『俺の勘で言うと～…、高遠くんに一票。』

「っ……!?」


私は何も言っていないはずなのに、目の前の2人はトントン拍子に話を進めていく。

お兄ちゃんに見事いい当てられてしまった私は、ただただ赤面するしかない。顔から火が出そうな勢いだ。