身長差43センチのふたり。




『好きになるのに、時間は関係なくない?』

「そうだけど、…やっぱり……無理だよ。」


今の状況じゃ、私が高遠くんに告白をした先の結果が目に見えてる。

高遠くんはきっと、私のことをクラスメイト以上友達未満というふうにしか思ってないはずだから。

期待はしない方がいい。


『私はお似合いだと思うけどなー、高遠と雛乃の凸凹コンビ。』

「そんな芸人じゃないんだから。」


いくら華ちゃんにお似合いだなんて褒められても、それで告白しようなんて気にはなれない。

それに今は……もっと高遠くんのことが知りたい気持ちの方が大きいんだ。

高遠くんとお付き合いをしたいというよりも、高遠くんのことをもっと知って、私のことも知ってもらいたい。


「片想いも、きっと楽しいと思うんだ。」

『……雛乃がそれでいいなら、いいけど。』

「うん。」


これでいいの。

私は、私のペースで、恋をしていけばいいんだ。

焦ったところで、高遠くんの気持ちは変わらないし、私の高遠くんの気持ちも変わらないはずだから。


華ちゃんに自分の思いを打ち明けて、ちょっと心が軽くなった私は、止まっていたシャーペンを持つ手を動かし始めるのだった。



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