くる!………そう思った。



「ん、」


何てことない涼しい顔して、離れていった蓮の顔を凝視する。


「なに?」


「べ、別に何でもない」







付き合って早くも10ヶ月が経った。





それで、分かったこと。




恋人の蓮は、甘い。甘すぎるってこと。




今みたいに、コーヒーショップで飲み物を待っているとき。


蓮の車でドライブをしていて、信号待ちのとき。


映画館で暗くなった瞬間。


駅のホームで電車を待っているとき。


家で並んでテレビを見ているとき。



外でも家でも、涼しい顔をして不意打ちでキスをしてくる。


慣れてしまった私は、キスがくるタイミングが少し分かってきた。



やっぱり、どんなに回数を重ねても、恥ずかしいものは恥ずかしい。



それなのに、
蓮は何事もなかったかのように普通にしている。



悔しい。それと同時に、過去の恋人たちに嫉妬してしまう。



私なんて、高校のときのカレ宍戸くんしか知らないのに。



思わず蓮のコーヒーと私のミルクティを待ちながら、口を尖らせた。



「なに?オネダリ?」


「ち、ちが!」


慌てた時にはもう、チュッと唇が触れ合っていて、あっという間に離れていく。




私と蓮は身長差があるから、
そんなに簡単にチュッなんて出来ないはずなのに。



慣れてる、この男。

悔しくて、イヤにイライラした。


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