理沙姉の結婚式の翌週の金曜日。



私は園の倉庫で卒園式の看板作りを手伝っていた。


理沙姉は今頃、まだハワイだろうな。

いいなぁ、新婚旅行。

夢のまた夢のハネムーンに憧れてしまう。







『三上先生!これ終わったんで、ご飯行きませんか?』


また、だ。

ついそんな失礼な事を思ってしまう。



「あの、野村先生。ごめんなさい」


何度断っても、この野村先生は誘ってくる。

いや、ありがたいことなのだろうけど、この前自分の気持ちを再自覚してしまった私には、
誘いを受けることなんて出来ない。



『そうですか』


「あの、誘ってくれてありがとうございます」


『じゃ、駅まで一緒に帰るのだけならいいですか?』


「…えーっと、まぁ」


『よし、じゃあ、俺着替えてきます。三上先生も早く着替えて下さいね!んじゃ、正門で』


「…はい」



なんとも、元気すぎる先生だ。


だけど、きっと野村先生の誘いを受けることはないんじゃないかなって思う。


先週の理沙姉の結婚式で、
やっぱり蓮は特別すぎるんだって思った。


まだ好きなんだって、自覚してしまった。



もちろん、もう二度と蓮に想いを告げる気はない。


だけど、誰にも言わないのなら、このまま想っててもいいんじゃないかと考えた。


誰か、蓮の他の誰かと出会うまで、
この想いを胸に秘めていてもいいんじゃないかと思ったんだ。



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