覚醒者3号
最終章

1号

駐車場に放置されたタオル、ペットボトル。

私はそれに触れる。

…すぐさま脳に流れ込んでくる映像。

2号と小山田哲平。

頭痛に苦しむ小山田哲平の姿。

そしてスクラップ場…。

成程、大体の見当はついた。

私はペットボトルを投げ捨てる。

…頭痛か。

小山田哲平は覚醒者3号として目覚めつつある。

機関としては好都合だ。

超能力に目覚めた小山田哲平を連れ帰り、研究対象として扱うもよし、私に続く実行部隊として扱うもよし。

…どちらにせよ、2号は最早用済みだな。

数度に渡る脱走、機関への背信行為。

もう見逃してやる訳にはいかないだろう。

覚醒者は二人もいれば十分だ。

2号の予知や瞬間移動は魅力的な能力だが、その能力さえも研究、実験を繰り返すうちに人為的に生み出す事も可能だろう。

これ以上見逃してやるのは、2号を増長させる結果になりかねない。

裏切り者は直ちに処分する。

それが機関のやり方だ。

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