偽りの自分。


『あたし、帰るね。
こんな最低な人たちだと思ってなかった。』



『は?最低なのは、アンタでしょ?
性格悪すぎ。』

美鈴の声がする。



構わずあたしがスタスタ歩き出すと、
後ろから、
『待って!』と吉野の声がする。



ほっといてよ。



泣きたいよ。





だけど...




泣いたら負けだ。



ミスとか、どうでもよくなってきた。



あたしが一番だったはずなのに、


人気者だったはずなのに、


吉野が現れてから、変わっちゃったじゃん。


友達も、彼氏もあたしの飾りで。



性格も、偽って。


あたしは確かに最低な奴だ。


友情も、愛情も偽りで、
本当最低なことした。
< 20 / 103 >

この作品をシェア

pagetop