偽りの自分。
それぞれの想い



屋上に着いた。


太陽が出ていて、空気も美味しい....って、
そんなこと考えている場合じゃない!


美香たちを止めた方が良いの?

でも、またあたしがいじめられたら?


吉野がミスの座を奪ったりして....。


あたしが何もできずにいるうちに、
目の前にいる美香が口を開いた。


『あんたさ、二股してる?』


『....え?』


美香と雫の前にいる吉野はびっくりした様子。


『カイト君とどういう関係なの?
ミスの彼氏だって知ってた?』


雫が吉野に問い詰めた。


『あたしは、二股なんかしてない。
カイト君のことは別に好きじゃないよ?』


吉野ははっきりと言った。




『...嘘つくなよ。』


気づけば、あたしはそう呟いていた。


『え?』


皆が一斉にあたしを見る。



『昨日、デートしてたでしょ?
手も繋いでたじゃん!
嘘つかないでよ...!最低!』


あたしは叫んだ。


吉野、なんで嘘つくの?


怒ってるより...悲しい。


きっとそれは、吉野のこと信じたかったからだと思う。


二股してるんだったら、はっきり言ってほしかった。


嘘つかれる方が、嫌だよ....。
< 49 / 103 >

この作品をシェア

pagetop