イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「でも……式と披露宴には出たし、私はもう帰っても……」

「君の姉が戻るまで帰すわけにはいかない」

「……それはどういう意味ですか?」

気まぐれな姉がいつ戻るかなんて誰にもわからないのに……。

「うちに一緒に住んでもらう」

……一緒に住む?

それはマズイのでは?

「でも……お姉ちゃんが結婚相手なのに……」

横目でチラリと父に目をやって助けを求めるが、父は故意に私と目を合わせないようにする。

それならば……と今度は母に目をやると、厄介事は嫌なのか急にフィッティングルームに隠れてしまった。

うっ……ショック。……両親にまで見捨てられた。

「君にまで逃げられては困る。今、俺に必要なのは梅園家の娘だ。薫子でも桜子でもどっちでもいい」

ぶっきらぼうに言われ、腕を捕まれたままホテルの地下駐車場まで連行された。
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