「取り引きをしましょうよ、鷹司」

あの女は梅園家との顔合わせの後、突然俺のオフィスにやってきてそう言った。

あの女……俺の婚約者、梅園薫子。

幼稚園から高校までずっと一緒で、俺の同級生だった。

頭の回転が早く、容姿も整っていて、それに比例するかのように我が儘で尊大。俺達の世代で薫子は女王のような存在だった。

好き好んで薫子と婚約した訳じゃない。梅園家の人間でなければ、絶対に彼女とは婚約しなかった。

じいさんに手術を受けさせるための結婚。じいさんが元気になれば彼女とは別れる。その代わり、梅園家に融資をし、薫子の借金の肩代わりをする。梅園の両親は薫子の借金の事も、俺達が離婚前提で結婚する事も知らない。薫子が早く結婚出来るならと俺との結婚を快諾した。安くはないが、悪い契約ではない。

今日の梅園家との顔合わせは仕事の都合で一時間程で切り上げたが、薫子の妹を紹介されて高校時代の事を思い出した。

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