イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
だが、次の瞬間、薔薇の彫刻が素敵な白いドレッサーの鏡を見て私と母は言葉を失った。
鏡に真っ赤なルージュで書き置きがしてあったのだ。
【やっぱりやめる。あんな男イヤよ!】
何かの間違いであることを願って何度も何度も読み返す。
でも、何度も見ても同じわけで……。
……やめるって結婚?
……あんな男は……新郎だよね。やっぱり……。
あはは……。乾いた笑いが口から出る。
お姉ちゃん、違う意味でびっくりさせてどうすんのよ!
我が儘にも程があるよ。何考えてるの~!
どうするの?どうするの?
花嫁なしの結婚式なんてあり得ない。
頭の中はパニックだ。
式まであと三十分しかないのよ。
母はあんぐりと大きく口を開けたまま放心状態。お嬢様育ちでおっとりしていて脳内はいつもお花畑のような母は、こういう時全く役に立たない。
鏡に真っ赤なルージュで書き置きがしてあったのだ。
【やっぱりやめる。あんな男イヤよ!】
何かの間違いであることを願って何度も何度も読み返す。
でも、何度も見ても同じわけで……。
……やめるって結婚?
……あんな男は……新郎だよね。やっぱり……。
あはは……。乾いた笑いが口から出る。
お姉ちゃん、違う意味でびっくりさせてどうすんのよ!
我が儘にも程があるよ。何考えてるの~!
どうするの?どうするの?
花嫁なしの結婚式なんてあり得ない。
頭の中はパニックだ。
式まであと三十分しかないのよ。
母はあんぐりと大きく口を開けたまま放心状態。お嬢様育ちでおっとりしていて脳内はいつもお花畑のような母は、こういう時全く役に立たない。