イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「レンタルってないんですか?どうせ返すんだから」

私は一ヶ月以内に姉が見つかると信じている。

買ったら無駄になってしまう。

「鷹司家の嫁にレンタルだ?」

鷹司さんが急に表情を変え片眉を上げる。

剣呑な雰囲気。

うっ……怖い‼

なんか冷気が漂いそう。

「……じゃあ、一番安いので」

「……ほんと、姉とは正反対だな。榊の話では、君の姉は店で一番高いのを選んだらしいが」

半ば呆れたような口調で鷹司さんが私を横目で見る。

どうやら姉の時は鷹司さんは一緒にいなかったらしい。

お姉ちゃんは宝石に目がないから、デザインよりもダイヤの大きさで選んだんじゃないだろうか。

でも、宝石にお金かけて着飾っても私には似合わないし……邪魔だよね。

「ほら、このブランドのロゴの入りなんてシンプルでいいじゃないですか?」
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