イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
久世さんみたいに刹那さんの思考や行動パターンまではわからない。

「薫子と予定通り式を挙げてたら、一緒に住もうとしただろうか?」

「さあ……」

でも、まだ刹那さんの家を全部見たわけじゃないけど……お姉ちゃんの荷物がなかったような……。

「そう言えば刹那って結構……」

久世さんが考え込むような表情で私をじっと見据える。

え、え、何?

「久世さん?」

「……何でもないよ。それより、桜子ちゃんのこのバイトの事って刹那は知ってるの?」

「いいえ。……言ってないので多分知らないと思います」

「そう。じゃあ、ルドゥーテの本の検品頼むよ」

久世さんがいつものようににっこり微笑む。

……私を見て何か考えてたような気がしたんだけどな。

何だったんだろう。

「……はい」

私が返事をすると、久世さんはテーブルに置いておいたノートパソコンに触れ、何やらメールをチェックし出した。
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