「――着物……?!」


ドバイにある高級リゾートホテルのスイートに響くのは私の驚いた声。



「あれ?知らなかった?――おかしいな、ドレスじゃなくて着物にしろって言ったの兄貴なのに」


不思議そうな顔でそんな私を見るのは、博人さん。

タキシード姿の王子様は、今日も美しいことこの上ない。



「アランさんが日本に来た時に、オープニングセレモニーで着るドレスも一緒に買ったって、藤堂さんが」

「あー、確かに買ってたな。――でも、俺は着物だって聞いたよ」



今日は、藤堂さんがドバイで買収したリゾートホテルのオープンの日。

日没とともに始まるオープニングセレモニーとその後のパーティに私も出席することになっていて。



「…でも、着付けはどうするんですか?ここ日本じゃないのに」

「それは大丈夫。ここの支配人の奥さんが日本人で、着付けが出来るから」

「はぁ……」


私の目の前に広げられた着物は前に会社のパーティで着たのとは違う振袖で、黒地に極彩色の花などの模様が色鮮やかに描かれ、きれいと言うより、豪華と言う方がピッタリくるもの。



――…すごく高そう。


着物の良し悪しなど分からない私でも一見してわかる目の前の一枚に溜め息が出そうになる。


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