「……ドレスでも、よかったのに」


そう言って俺を見上げるのは、まだその顔に先程までの熱い余韻を残したままの美智子。


ほんのりと色づいた頬と赤みを増した唇。

そして何より、甘い光を宿したままの潤んだ瞳が……。



――まったく、こいつは…


「着物は日本の正装だからな」


出そうになった溜め息の代わりに、言葉を口にした。



「……でも、ドレスを買ったって言ってたのに」


美智子は俺がドレスを買った上に、それよりも遥かに高い振袖を買った事が不満らしく、彼女の形の良い眉の間に、ほんの少し皺が寄る。



「………着せたかった」

「へ……?」

「美智子に、着物を着せたかった」



眉の間の皺に指を乗せてそう呟けば、



「な……」


美智子の顔があっという間に真っ赤になった。





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溺愛  激甘  俺様  社長 

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