支度を終えて藤堂さんとホテルの車に乗り、最初の目的地であるドバイ博物館へ。


18世紀の砦を改装したという博物館は、近代的な建物が多いドバイの中では最も古いといわれていて。

門をくぐって中に入ると、遊牧民の家屋や古のアラブの船などが展示されている中庭が現れた。

周りをレンガ造りの城壁で囲まれたその空間は、さっきまでいたビルの立ち並ぶ世界とは全く違い、まるで昔のアラブに迷い込んでしまったよう。



――…すごい…。


思わず、照りつける熱い陽射しも忘れてその場に立ち止った。



「――美智子」


そんな私に、藤堂さんが振り向き左手を差し出す。


黒のサングラスをかけ、細身の白いシャツを着た藤堂さんは、いつものスーツ姿よりも色っぽくて。



「――…あ…はい」


ちょっとドキドキしながら大きな手に自分の右手を重ね、一緒に歩き出した。


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溺愛  激甘  俺様  社長 

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