君のいいところ、1つしか思いつかない。




持っていたタオルで顔を隠す。




「お大事に」



と言ってボールの当たったあたしの額のあたりに触れた蓮。


その指に、心臓が止まりそうになる。




「っ、」




背を向けて体育館を出て行く蓮。


…もう、ずるい。


触れられたところが熱くてジンジンする。




頭の中が蓮でいっぱいになるのに、


それなのに、



どうしても、晴の表情の理由が気になっている自分がいた。








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