君のいいところ、1つしか思いつかない。



「はーちゃーん…」




結局トイレにも行かずに教室に戻って来たあたしは、はーちゃんに泣きつく。




「晴に飽きられちゃうかなぁ?」




しゅんとしているあたしに、驚くはーちゃん。




「なに、急にどうしたの?」


「晴って、女慣れしてるじゃん…」

「そうだね」

「あたし、もっと積極的にならなきゃ晴に飽きられちゃうかな?」




そう聞くと、はーちゃんは少し考えてから。



「うーん…今までの晴だったら、そうかもしれないけど…

晴はあんたが思ってるより紗月のこと好きだから大丈夫じゃない?」





「うー…そうかなぁ…」




自信がない。


晴はあたしといて楽しいのかな?


あたしは、すごく楽しいけど。

それは晴が楽しませてくれるからであって。


あたしは晴を楽しませられるのかな?







< 246 / 296 >

この作品をシェア

pagetop