私の横に居る人
19
「止まらない~!」

麻帆が私をよけようとしてこけた。

全くの初心者の麻帆を寛人先輩が教えている。

私は経験者の為、人様に迷惑をかけない程度で滑っている。

健先輩と響子先輩は二人でどんどん滑っていく。

響子先輩の顔を見ると、どうやら二人の思いは通じ合ったみたいだ。

「寛人、悠ちゃんと先に行くわ。」

智樹先輩は私に同意を求めるかのように笑うと、ついてくるように促して先を滑り出した。

「麻帆、頑張ってね。寛人先輩、麻帆をよろしくお願いします。」

私は手を振る二人を背に、智樹先輩に付いて滑り出した。

少し前で智樹先輩は私が付いてきているか確認するかのように待っていてくれた。

「悠ちゃんは、車の中で眠ってきたの?」

「いいえ、ずっと健先輩とおしゃべりしながらでしたよ。」
< 130 / 190 >

この作品をシェア

pagetop