城下のお姫

市場にお出掛け




 次の日の明け方。



 朝起きると、いつものように隣の家から朝練の励む声が聞こえた



 「はっ!やぁっ!」


 総ちゃんは寺子屋に行く前に、竹刀を振って一汗をかいて出かけるのが日課


 そして私は、その声を聞きながら寺子屋への支度するのが日課となっていた



 居間で朝ご飯を済ませ支度を終えると、丁度総ちゃんがこっちにやって来る



 「おばちゃん、おはようございます」



 「あら、いつもありがとね総ちゃん!」


 
 「いいえ、これももう慣れっ子ですから」


 「たまにはこっちから総ちゃんを迎えに行ってあげなさいよー?」



 「はーいっ」


 「じゃあ、行ってらしゃい」



 母様は、いつも私達を見送ってくれる、たいそう優しき母様である



 お弁当まで作ってくださるの



 「野山〜の里の〜♪一つの〜町に〜♪」



 「何の唄だ?」


 「今、自分で考えたやつ(笑)」


 「何だそれ(笑)」



 「密か〜に暮らす〜♪貧し〜き人よ〜♪」



 「それ、俺らみてーだな(笑)」


 「ふふっ」



 もちろん続きはあるけどね



 

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