GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
伝えたいことがあるんだけど。side*奈央



「ふぅっ……」


朝。駅のホームで一呼吸して息を整えるあたし。平然を装っているけど、心臓はバクバク。


「……ちゃんと言えますようにっ」


雪や花蓮に相談して、今日志摩に告白することを決めた。


昨日の夜は、ずっと鏡に向き合って告白の練習をした。可愛い顔を作れるように研究もしてみたものの、即却下。快二がいたら絶対にお腹を抱えて笑ってたんだろうな。


「あれ?お前、今日早くね?」


噂をすればアイツの声。はぁっと大きくため息をつきながら振り返る。


「あのさー、あたしだってねー……って、志摩もいたんだ」


な、なんと、快二の隣には志摩の姿もあった。途端に、あたしのさっきまでの威勢はぶっ飛んでいき、女の子らしく控えめ女子へとチェンジした。


「お、おはよ」


ほら、挨拶ですらも言葉がうまく出てこない。


「おはよー。今日はいつもより早起きしたの?」


「う、うんっ。頑張ってみた!」


出来るだけ普通に……と思いながら、志摩へ笑顔を向ける。


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